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 私たち緑書房は、日本が、そして世界じゅうの国々が未来に道筋をつけていくためのキーワードは「共存・共生」だと考えています。そもそも、人も、他の動物も、そして植物も、生命(いのち)のあるものはすべて、自分の力で生きているようでいて、実は自然の大きな仕組みの中で生かされています。たとえば、気象ということで考えてみると、人は、動物は、その力の前にほとんど成すすべがありません。寒暖の少しの狂いに農作物や水産物の穫れ高が左右され、大地震、大津波、台風の猛々しさや酷暑に翻弄される。この動かしがたい事実の前に、人は、人類は、もっと謙虚にならなければならないのだと思うのです。そして、謙虚の先に、「共存・共生」があるのではないでしょうか。


 地球規模で起こりつつある資源の枯渇や、絶滅危惧種などの問題に向き合うとき、私たちは、日本人の中に古来から潜んでいるはずの「おたがいさま」や「ほどほど」といった感覚を呼び覚ます必要があります。そしてこれを、国際語としてすこし知られるようになってきた「もったいない」と共に、世界に向けて発信していきたいものです。かつてに比べて活力を失っている日本ではありますが、こうして考えてみると、私たちは自らの明日を切り拓くための、さらには世界に向かって発すべき「知」をもっていることに気付かされます。


 緑書房は1960年(昭和35年)の創業以来、一貫して生命(いのち)をメインテーマに出版活動をつづけてきました。出版業は近年、衰退産業のひとつとも目されがちですが、どれだけインターネットが発達しても、本という形態がもたらす最終的な利点はゆるぎないと私たちは確信しています。紙のものであれ、電子化したものであれ、本は、知識や思考が生み出され、保存されているパッケージであり、そこからさらなる知識や思考が展開されるためにあるものです。私たちは、著作者とともに、知識と思考と感性のトータル・パッケージとしての本を、これからもつくりつづけ、読者にお届けします。


 人類はもちろんのこと、地球上のあらゆる生物の生命(いのち)を尊重する共存・共生の精神なくして、国際紛争の解決も、食糧危機の克服も、地球環境の保全もありえません。私たち緑書房はこれからも「いのち」と「ライフスタイル」という文脈で時代を捉え、多彩な出版活動を展開していきます。